小学生のころ、父がなぜかわからないのですが、お気に入りの銭湯ができてしまいました。
私も別にお風呂は嫌いではなかったのですが、わざわざ銭湯に行かなくても家で入ればいいじゃんとおもっていました。
しかし、父はハマりだすとずっとそれを続ける人だったので、いつの間にか毎週日曜日の夕方は実家の近所にある銭湯に家族5人で通っていました。
私は母と2人で女湯に入り、弟達2人はまだ幼稚園だったのですが、父と3人で男湯に入っていました。
いつも必ず男チームが早くて、「おなかすいたんだけど」なんて言っています。
だったら、家でお風呂に入ってお母さんのご飯を食べればいいじゃないかなんて思っていたのですが、どうやら、父は銭湯の上にある食堂で1杯やりたかったみたいです。
もちろん家族で行くわけですから、お酒だけに終わらずご飯も頼んで、結局銭湯に行くだけで数千円、ほぼ毎回使っていたのです。
元々坊ちゃんタイプの父なのでお金には無頓着なのですが、私はかなりお金にはシビアな子供だったので、「お金がもったいないな」なんて思っていました。
そんな銭湯通いも1年もしないで理由は分かりませんが終わりました。
きっと1番ホッとしていたのは母だと思います。
お金も浮くし、翌日には仕事もあるという時にこんな事をしていられないと思っていたでしょうから。
私も大好きなアニメがやっている時間に家に入れるようになって良かったなと思っていました。
銭湯通いも終わり、銭湯については何も考えなくなっていたのですが、つい先日実家に行った時、そういえば銭湯があったなと思って、その近くを通ってみてみると、その銭湯はなくなっていました。
もう20年くらいたっているかそれもそうかと思いましたが、どんどん新しくなっている実家の周りを見るたびになんだか切なくなってしまいます。
どんどんこの銭湯のように私が小さい頃の思い出が実家の周りから消えてしまっていますが、次は一体何がなくなるのでしょう。
一昔前は健康ランドブームで最近はスーパー銭湯が人気のようですね。
自宅の近くの熊野の郷というスーパー銭湯も大変な人気のようで、週末などはいっぱいのようです。