債務整理というのは再生の為の救済方法のことを言います

債務整理という言葉だけを見聞きすると、とてもネガティブな印象を受けてしまうものだと思います。
そもそも日常生活において債務という言葉を使う事がありませんよね。
一般的には債務というのは法律用語ですから、馴染みの少ない言葉です。
この債務という馴染みの無い言葉に、整理という言葉が繋がった債務整理というのは、これも一般的にはわかりにくい言葉と言える事ができます。

簡単に言うと、借金の消しこみとでも言いましょうか。
図らずも背負う事になった借金を支払う事ができなくなった方が、その借金の返済を免除してもらう手続きの事を言います。
そもそも借金が無い方には何の縁も無い言葉ですが、借金を背負ってその支払いが重荷に感じている方にとっては微妙な言葉だと思います。
債務整理にはいくつかの手法がありますが、任意整理と破産という手続きが一般的です。
両者共に、借金の返済金額を一部もしくは全額免除してもらう為の手続きですが、大きな違いがあります。

根本的な違いは、裁判所の関与が有るか無いかという違いです。
任意整理は裁判所が関与しない手続きで、破産は必ず裁判所に判断してもらう手続きです。
この事実を知ると、自らの借金の清算についてですから、公的な機関である裁判所を通す手続きなどしたくないと考えるかもしれませんが、結果に大きな違いを生じます。

裁判所に判断してもらう破産手続きは、正当な理由があれば借金を全額免除してもらえるからです。
一方任意整理の場合は、自らがお願をして借金の減額を債権者に依頼する手続きなので、極めて困難で全額免除も期待できません。
借金の返済ができない状態になりそうな場合は、破産手続きをすることをお勧め致します。
そうすることで、債権者からの取り立てが一種にしてなくなり、時間とお金はかかりますが、借金を全額免除できる可能性が高いからです。
破産には、弁護士さんのもしくは司法書士の関与が必要になります。
両者のどちらかを通じて、裁判所に破産の申し立てを行い、審査を経て裁判所から破産の申し立てをしてもらいます。
すると今までの借金が基本的には全額免除されます。

しかしながらデメリットもあります。
先ずは一定額のお金がかかるということです。

弁護士もしくは司法書士さんの費用と、裁判所に払う予納金が必要になります。又、クレジットカードが一定期間利用できなくなります。
破産宣告されると官報に名前が載ります。
この三点がデメリットですが、それ以上にメリットの方が上回ります。
今までの借金が全額免除になるからです。

そのためには、借金をすることになった経緯に正当性が必要です。
ギャンブルや投機の失敗、自堕落な生活の果ての借金などは認められません。
一生懸命仕事をして働いたのに、借金をせざるを得ず、返済が滞ったという真面目な生活をしたのに返済ができない苦境に陥ったという事が前提です。
破産宣告というと、債務整理以上にネガティブな印象を受けるかもしれませんが、これは国が認めた法的な救済方法ですから、一概にネガティブになる必要はありません。
これは国民が等しく受ける事ができる法的な制度なのです。
借金の返済が危ぶまれている方は、是非一度弁護士さんか司法書士さんにご相談することをお勧め致します。
債務整理というのはこういう一連の救済方法のことを言うのです。